シュヴァルツコプフとフレーニ

シュヴァルツコプフとフレーニ、私はこの二人のソプラノ歌手が大好きである。
二人ともに極上の響きで歌っているが、その響きの趣はそれぞれ違ったものである。
それはイタリア語を主に歌っているのか、ドイツ語を主に歌っているのかで変わってくる。

イタリア語は母音の言語であり、子音が素早く発音される。そのため母音がとてもよく響き、ホールでも難なく響かせることができる。
一方、ドイツ語は子音の言語である。
とてもハッキリと子音を発音し、その子音に響きを持たせないといけない。
ドイツリートを歌う際は、この細やかなニュアンスに心血をそそぐのだ。

そして、これらの言語感覚によって歌で必要とされる響きの種類が変わってくる。

もちろんピアノにも同じことが言える。
どこの国の音楽を演奏しているかによって、響きの種類を変えなくてはいけない。
イタリアオペラのような曲なら伸びやかな母音の音楽に、ドイツものの音楽なら子音を大切に細やかなニュアンスをつけていく。

私がピアノ演奏の手本にするのは、ピアニストと指揮者、そして偉大な歌手達だ。

二人の歌声を聴いていただきたい。

エリーザヴェト・シュヴァルツコプフ

ミレッラ・フレーニ
https://www.youtube.com/watch?v=rAbN5NW5eR0&frags=pl%2Cwn

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