ショパンピアニズムの基礎 ⑧「小指の使い方」

前回、ショパンピアニズムの基礎⑦「親指の使い方」の続き

親指と反対側にある小指。
この指は親指の次に大切な指である。親指同様に手首の回転運動を伴って使うのがショパンピアニズムの特徴である。
親指と小指は、他の2−4の指と違って大きな筋肉を指の付け根に持っている。
親指が母指内転筋と母指対立筋、小指が小指外転筋と小指対立筋である。

この大きい筋肉を支えにして腕の重さを支えていくので、この筋肉は鍛えていく必要がある。
(私の教室では筋肉強化と筋感覚を身につけるために私が考案した手の運動を生徒に行なってもらっている。そちらは別の記事で書こうと思う。)

小指はメロディーラインを受け持つことが多く、ショパンは小指のことをソプラノ歌手と呼んでいた。
小指を上手く響かせるためには腕の回転とは別に、2つ気をつける点がある。

第1関節で掴まない

特に5の指は第1関節を使って鍵盤を掴みにいってしまいがちな指である。
この第1関節を使った打鍵をしてしまうと音は柔らかさを失い下部雑音が多くなり音質に大きな影響を与えてしまう。

脱力という言葉は好きではないが、第2関節と第1関節は極力意識をしないようにすると良い。
力を完全に抜くということではなく「意識を持たない=脱力」と捉えてもらいたい。

親指の筋肉(母指内転筋・母指対立筋)を支えにして小指を使う

これは2−4の指にも言えることなのだが、親指から使うという意識を持つことで手のひらで弾く感覚が生まれてくる。
弾く指単体で演奏しないというのがショパンピアニズムの基礎であり、常に親指の力を借りて演奏することを忘れないようにするといい。
(それとは反対に親指は常に2−5の指の力を借りて演奏するのだ。)
練習として、親指を鍵盤の上に触れた状態にして、そこから腕の回転運動を伴って弾く練習をすることを私は生徒に教えている。

小指はそれ一本で和音のトップを担うので、かなりの修練を重ね鍛えていく必要がある。
小指の使い方を学ぶには、親指のことを常に意識しながらやるといい。

親指、小指がわかったなら次は2−4の指の使い方である。

また次回

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