基音で演奏している人は、人の演奏を聴いても基音でしか聴けない。
現在でも多くの日本の教育者・ピアニストはそのような音の聴き方をしてしまっている。
音の聴き方は、本来何も考えなくていいのだが、基音に取り憑かれてしまっている方は、耳のテクニックを学ばなければならない。
満員電車に乗っている時、どれだけうるさくても友人の声だけは聞き取れる。
これは耳が持っている、雑音を消して「必要な音」だけを聞くという能力が働くからだ。
演奏中にこれを使ってはいけない。
つまり、自分にとって必要な音を聴きに行ってはいけないのだ。
それをしてしまうと、電車の雑音と同じように、周りの音は聴くことができなくなってしまう。
耳のテクニックとは、満員電車の音を全て聴く感覚である。
耳で一つの音を追ってはいけない。
全てを同時に聴くのだ。
これができると基音の呪縛から解放される。
旧ソ連の黄金期の人は、たとえどの様な人が聴いても全然違うとわかるくらいに
現代の奏者とは、音そのものの柔らかさと透明度が違います。
あくまでも角のある強音を中心にして演奏する奏者達に責任があるのではないでしょうか。
くまのこ様
コメントありがとうございます!
時代の中で美意識が変わっていくのは仕方ないですが、各々が美しいと思えるものを、周りの価値観に影響されず追求できる場所を作れたら良いなと思っております。