ショパンピアニズムの特徴は、何といって音色の美しさであり、歌手の様に美しいレガートで音楽を奏でていく。
その音色は大ホールであっても、すべての客席に響き渡る。
代表的なピアニストでいうとホロヴィッツ、ギレリス、アルゲリッチ、プレトニョフ等が挙げられる。
しかし、なぜロシア人の間でこれほど合理的なピアニズムが広まったのだろうか。
それを紐解くには、ピアニスト、作曲家であるジョン・フィールドを紹介しないといけない。
彼はアイルランド出身であり、父からピアノの手ほどきを受けた後は、作曲家でありピアノ製造を行なっていたクレメンティの元で学び、クレメンティと共にヨーロッパ中を演奏旅行に出かけ、各地で名声を得た。
その後、クレメンティに連れられてロシアのサンクトペテルブルクへ移り、1803年にクレメンティが去った後も、彼はロシアに留まり演奏とピアノ指導の活動を続けた。その後もロシア各地の貴族社会から熱烈に歓迎され、一時は「フィールドを知らないことは、罪悪である」とまで評されていたとされる。
そしてショパンはジョンフィールに感化されて演奏法を編み出している