ピアノを歌わせる②

発音の問題は私たち日本人は真面目に向き合わなければならない。

ドレミファソラシド

こう思いながら弾いていたのでは、ピアノは歌わない。

ドレミファソラシドはイタリア語である。
イタリア語ということは、アルファベットに変換できるということだ。

つまり本来は

DO RE MI FA SOL LA SI DO

こうなるわけだ。
ソの音がイタリア語ではSOLとなることに驚いた人もいるのではないだろうか。
日本語で言うソとは、まるで違うプロセスを通って発音させる音なのだ。

こう考えながらピアノを触ってみると、すでに少し違いが出るだろう。
感覚が良い生徒は、このことを教えてあげるだけでタッチの質がガラッと変わる。
それほど重要なことなのだ。

私たち日本人は「子音」「母音」を意識することがまずない。

日本人の演奏が機械的なのは、ほとんど場合、歌が下手であるからだ。
つまり言葉の発音が下手なのである。

日本語は子音と母音の長さが、どの単語を取ってもほぼ同じで、それゆえリズムも平坦で音程もない。
その言語感覚で歌うと当然全く異なる音楽になるわけで、その感覚を持ってピアノを弾いてもピアノは当然歌わないのだ。

ピアノを歌わせるには、タッチを見直さないといけない。なぜなら発音が違うからだ。
生徒を見てきたが2〜3ヶ月も丁寧に教えていると、きちっとしたアルファベットの発音になりピアノが歌い出す。

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