多くの人が間違った感覚で柔らかい音を出そうとしていると思う。
柔らかい音は、弾いた後に手や腕を上の方向にふわりと上げることで表現できると思っているのではないか。
ここにとても大きな落とし穴がある。
私自身これが間違いであったと気がついたのは、20代の半ばである。
自分の手や腕の動きが脳の誤作動を生み実際なっている音と自分で聴こえている音に大きな誤差があることがわかったのである。
結論から言うと、下から上方向に打鍵することは、まずしない。
どのような弱い音柔らかい音であっても基本はピアノを打楽器として扱い上から下の打鍵で、「積極的に」作り出すのだ。
この積極的ということが、とても大事なのである。力の抜き加減や、腕の回し加減で柔らかさを表現するのではないのだ。
おそらく日本の教育現場でこのことを教えている方は、そういないだろう。まず教師自身が身をもって体現できていないと伝えることは不可能だからだ。
ピアノの可能性を引き出し、ピアノを歌わせるためには、語弊を恐れずに言えば
「ピアノを打楽器として扱う=上から下に叩かないといけない」
鍵盤から指を離さず、指が吸い付くようにとよく言われるが、鍵盤に指がついた状態から弾くことなど、ほぼない。
このことを理解できない方は、腕の重さなど使っておらず、間違いなく指でしかピアノを弾けていない。100年以上遅れた弾き方をしている。
黒木ピアノ教室 YOU TUBE動画チャンネルより
柔らかい音の出し方