ショパンピアニズムの基礎 ④「打楽器ピアノ」

前回ショパンピアニズムの基礎③「企業秘密」の続き

腕と手首の使い方を学ぶには、まずは楽器のことを知らなければならない。
ピアノは歌手のように歌うこともできれば、オーケストラの様々な楽器の音を再現することもできる。
どのようにも姿を変えることのできる楽器であるが、ピアノは打楽器なのだ。
小学校で習う内容であるが、ピアノが打楽器であると意識している方は少ないのではないだろうか。
それがよく分かる言葉がある。

鍵盤を叩かないで

この言葉をどれだけ聞いたか分からない。そのくらいピアノは叩いてはいけない楽器なのだ。
打楽器で叩いてはいけないというのは、実はとてもおかしな話なのだ。

しかし、現に上から叩くと嫌な音がなる。その原因はとても単純なところにある。

ピアノを木琴・鉄琴に置き換えると分かりやすい。木琴・鉄琴を鳴らすにはバチがいる。
木琴・鉄琴を鳴らす上で、打楽器奏者が絶対にやらないことがある。
それはバチの先端を意識して叩くことだ。
バチの先端を意識して叩くと誰が演奏しても嫌な音がなる。打撃音に変わってしまうのだ。

ピアノでいうとバチは指である。バチの先端に意識があるということは、指先に意識があるということである。
指先に意識がある段階で、打撃音に変わってしまうのだ。これが鍵盤を叩いてしまう人の原因である。

つまり、ショパンピアニズムではピアノを弾くときに指先の意識はないのだ。
指先に意識を持たないというのは技術であり、これが身につかなければショパンピアニズムは達成できない。

このことを体感的に分かる方法がある。以下の実験をしてもらいたい。
消しゴム付きの鉛筆を用意してもらい、ゴム側で以下の画像のように打鍵するのだ。

その時に、鉛筆の先に意識を持って打鍵するのと、意識を持たないでピアノを打楽器だと思って打鍵する2種類を試してほしい。
いかに先端の意識が音を汚くするか理解できるかと思う。

そしてこの時の腕の動き、手首の動きを指で打鍵する時にも取り入れるのだ。
ピアノが打楽器であると理解することは、ショパンピアニズムのとても大切な基礎である。

YouTubeの動画で以上のことを詳しく説明しているのでコチラから合わせてご覧ください。

この意識を持てたなら、ショパンピアニズムの第一歩を踏めたのだ。
以上のことを踏まえた上で詳しい手首の使い方を知らなくてはいけない。

また次回

“ショパンピアニズムの基礎 ④「打楽器ピアノ」” への2件の返信

  1. 初めまして。40代主婦のピアノ愛好家です。
    ロシアピアニズムに興味があり、ブログを拝読させていただいています。
    黒木先生は分かりやすく解説してくださり大変勉強になります。
    私は子供の頃よりピアノを習い、音楽の道には進みませんでしたが趣味として続けていました。子育てひと段落して数年前よりピアノを学び直しています。
    今後の更新も楽しみにしています!

    1. 暖かいお言葉ありがとうございます。
      ピアノを演奏する際、少しでも皆様の助けになればと思っております。
      いつの日かお会いできますこと楽しみにしております。

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