前回、ショパンピアニズムの基礎⑤「手首の使い方」の続き
腕の重さの使い方を知ったら、次は基本の手のポジションを学ばなければならない。
一般的な基本のポジションは、
「ド」「レ」「ミ」「ファ」「ソ」に5指を丸めて置くものである。
その際、1〜5の指を曲げて全てが同じ長さになるように調整する。
そして指が鍵盤に対してまっすぐになるように配置する。
これが一般的なポジションであり、多くの人がこのように習ってきたはずである。
しかしショパンピアニズムでのそれは全く違う形をとる。
ショパンピアニズムでの基本のポジションは、
「ミ」「#ファ」「#ソ」「#ラ」「シ」に5指を置いた状態にするのだ。
その際、1〜5の指は曲げたりせず、最も自然な形のまま鍵盤に置く。
肘を外に出さずに自然にこのポジションに置くと、指は鍵盤に対して斜めに配置される。
手を左右のどちらにも傾けずに配置すると、小指が鍵盤に触れた時には親指は鍵盤から離れた状態になる。
これがショパンピアニズムの基本的なポジションである。
演奏中は、このポジションに置いた手のバランスをなるべく保つようにする。
そうすることで驚くほどの手の柔軟さが手に入る。
どこからこの基本ポジションが生まれたのかと気になるかと思う。
実は200年前にショパンが考案したものであり、この発見がいかに天才的であったのかはピアニズムを習得している者でなければ知る由がないだろう。
詳しくショパンの教授法を知りたい方は、以前書いたこちらの記事からご覧ください。
このゲンリヒ・ネイガウスはこのショパンが考案した基本ポジションを、
「試金石」「コロンブスの卵」と形容していた。
基本の手のポジションが分かったら、次に演奏時の鍵盤の扱い方を知らなければならない。
また次回